TeX による カラーOHP の作り方
新井 仁之 (東大数理)
講演後,多くの方からTeXによるカラーOHPシートの作り方や,カラー図の挿入方法を訊ねられました.そこで簡単な解説と作成したサンプルTeXファイルを掲載いたします.

出力結果については OHPコーナーの PDFファイル をご参照下さい.

必用なもの

LaTeX2ε,Ghostscript,カラープリンター,カラープリンター用OHPシート

TeXがインストールされているフォルダー中の color.dvi をプリントアウトしておくと,色を選ぶ時に便利です.

作成したサンプルTeXファイルについて

サンプルファイルは日本語用と英語用を作りました.主な違いは以下の2点です.

フォントは日本語用がゴシック体,英語用がサンセリフ体です.サンセリフ体はローマン体よりも一行に入る文字数が多く,単語中での改行を減らすことができます.

セクションタイトルは日本語用は改行できませんが,英語用はできます.一般に英語の方が長くなりやすいためです.

\mathversion{bold}で太字にならない記号等

以下の3つのコマンドを用意してあります.

\sum ⇒ \Sum,\int ⇒ \Int,\underline ⇒ \uline

※ \Int,\uline は環境によっては調整が必要かもしれません.

文字の強調

強調したい文字に色をつけるために,\emi と \emii を定義してあります.使用方法はサンプルファイルをご覧下さい.

同様にしてよく使うテキスト色を定義しておくと便利です.スクリーンに映したとき,青や緑は比較的見やすく,赤や黄色は見にくいようです.

テキストをボックスで囲む

テキストをカラーボックスで囲むために,\cboxi 等が定義してあります.ボックスの背景色は color.dvi 中の色では濃すぎるので,数値で設定してあります.使用方法はサンプルファイルをご覧下さい.

定理環境

定理の見出しに色をつけるために,定理環境を二度別の名前で定義しています.使用する際の環境名に注意してください.サンプルファイルでは \begin{theorem} 等,小文字を使用するようになっています.

図の挿入

サンプルには図を挿入してありませんが,OHPコーナーの PDFファイルには図が挿入してあります.

図の作成には Adobe Illustrator を使用しています.このソフトを利用すると,本文と同じ数式フォントを図に張り込むこともできます.また,MATLAB,Maple,Mathematica といったソフトで作成したグラフや図を加工することもできます.

TeX に挿入する際は図を EPS形式で保存し,例えば以下のように入力します.

\includegraphics[width=12cm]{ファイル名.eps}

DVIOUT でカラー表示する場合は,Option, Setup Parameters,Graphic,GIF を BMP(full color) に設定します.

サンプルファイル 日本語用 (johp.tex)
サンプルファイル 英語用 (ohp.tex)
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