マセマティカル・ギャラリー
新井仁之 (東京大学)
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 展示のご案内

  フラクタルな曲線たち −フラクタル曲線が形成される姿− ( フラクタル入門 )

  掛谷の問題に関連した図形たち

  アニメーションで学ぶフーリエ解析

  ウェーブレット分析ギャラリー

  その他

フラクタルな曲線たち - フラクタル曲線が作られていく様子が見られます - 
詳しい解説は,新井仁之『ルベーグ積分講義 - ルベーグ積分と面積 0 の不思議な図形たち』(日本評論社) にあります.
カントルダスト (カントールの塵)
ダストの散らばりが美しく,公開講座などでは好評でした.
カントルダスト (Animation: Cantor's dust)
コッホ曲線
フラクタル曲線といったらこれ.典型的なフラクタル曲線としてよく知られています.
コッホ曲線 (Animation: Koch curve)
シェルピンスキー・ガスケット
数学的に深みのある集合です.
シェルピンスキー・ガスケット (Animation: Sierpinsky's triangle)
畑の樹木集合
「はたけの樹木集合」ではありません.「はたの樹木集合」です.日本の数学者,畑政義氏により発見された集合です.二種類の動画をたのしんでください.
畑の樹木集合 1 (Animation : Hata's tree)
畑の樹木集合 2 (Animation: Hata's tree)
コッホ湖の中を動くブラウン運動
調和解析という数学の分野と関係があります.詳しくはこちら .
コッホ曲線で囲まれた領域のブラウン運動
自然界の中のフラクタル図形
自然の中にもこんなフラクタル集合があります.不思議ですね.
しのぶ石
いたるところ微分不可能な連続関数のグラフ
連続でありながら,どの点でも微分できない関数.想像できますか?数学的には確かに存在します.数学は直観を超えているようです.数学的な内容は,新井仁之『至るところ微分可能でない連続関数』(数学セミナー,2003年5月号) をご覧ください.
高木関数 (Animation : Takagi functions)
変形された高木関数 (Animation : Modified Takagi function)
ワイエルストラス関数 (Animation : Weierstrass function)
直線上のカントル集合 (カントール集合)
カントル集合と呼ばれる重要な測度 0 の点集合です.単純な操作で得られる図形ですが,これを用いてさらにいろいろと不思議な図形が造られていきます.二つの異なったプロセスでカントル集合が生成されていく様子を動画化してあります.
カントル集合 1 (Animation: Cantor set on a line)
カントル集合 2 (Animation: Cantor set on a line, another construction)
平面上のカントル集合 (カントール集合)
カントル集合と同様のプロセスで生成される平面内のフラクタル集合です.
平面上のカントル集合 1 (Animation : Planar Cantor set)
平面上カントル集合 2 (Animation : Planar Cantor set, another construction)
2次元ハルナック集合
カントル集合と同じパターンの図形ですが,こちらは面積を持ちます.ジョルダン可測ではありませんが,ルベーグ可測になっている図形です.ルベーグ測度は 1/4 です.
2次元ハルナック集合 (Animation: 2 dimsional Harnack set)
掛谷の問題に関連した図形たち
針を平面内で一回転させるには,どのくらい広い場所が必要か?これが掛谷の問題です.数学セミナー,2002年8月号の特集『掛谷の問題と実解析』 をご覧ください.私も「掛谷問題のはじまり」と「未解決問題: 実解析における掛谷問題」を執筆しました.
とりあえず掛谷問題とは何かを知りたい方は次をこらんください.
掛谷問題ショートコース
掛谷の直筆研究ノートについて
掛谷問題の原点は藤原の内転形にありました.次のものがその内転形かどうかは私には定かではないのですが,今日藤原の内転形と呼ばれているものです.
藤原の内転形 (Animation : Fujiwara's figure)
掛谷の問題に対する三人の数学者の答え.針が回転できる最も面積の小さい凸図形とすれば藤原の答えが正しい.窪田のものは藤原のものよりも面積は小さいが,凸ではありません.
掛谷/藤原/窪田の答え (Animation : Kakeya, Fujiwara, Kubota's trial)
凸という条件をつけないのならば,針を一回転できるような図形で,面積がいくらでも小さいものが存在します (ベシコヴィッチの定理).そのような図形の構成でキーとなるのが,ペロンの木です.詳しくは拙著『ルベーグ積分講義 - ルベーグ積分と面積 0 の不思議な図形たち -』(日本評論社) をご覧ください.」
ペロンの木 (Animation : Perron tree)
ペロンの木 2 (Perron tree)
アニメーションで学ぶフーリエ解析
テキスト:新井仁之『フーリエ解析と関数解析学』 (培風館)
フランスの数学者フーリエは,19世紀のはじめにすべての関数は三角関数の無限和で表すことができると主張しました.その後の数学者たちの研究により,かなり多くの関数に対して,フーリエの主張が正しいことが証明されました.どのように三角関数で近似されていくか?具体的な関数について,アニメーションを見てみましょう.
フーリエ級数の収束 1 (Animation : Convergence of a Fourier Series)
フーリエ級数の収束 2 (Animation : Convergence of a Fourier Series)
フーリエ級数の収束について,キーとなるのはディリクレ核という関数です.この関数は次第にディラックのデルタ超関数に近づいていきます.
ディリクレ核 (Animation: Dirichlet kernel)
0.5 次より大きいヘルダー連続関数のフーリエ級数は絶対かつ一様収束します.しかし,階段関数のような場合,不連続点の近傍での揺らぎは近似の途中の段階ではなくなりません.これをギブス現象といいます.
ギブス現象 (Animation : Gibbs phenomena)
3変数以上になると,滑らかな部分でも,遠くに不連続点があれば揺らぎが出てきてしまうことがあります.これをピンスキー現象といいます.1990年代にピンスキーにより発見された現象です.ピンスキー現象は 2 変数以下では起きません.面白いですね.
ピンスキー現象 (Animation : Pinsky Phenomena)
ウェーブレット分析ギャラリー
リーマンがほとんどいたるところ微分不可能であるが,微分可能な点も無限個あるような関数を定義しています.この関数をウェーブレットにより分析してみます.Meyerにより連続ウェーブレットを使ってフラクタル関数の振動特異点とカスプ特異点が定義されました.参考文献新井仁之,実解析の発展,応用そして今後の課題 (←原稿 pdf をご覧になりたい方は下線で示した部分をクリックしてください)
まずはリーマン関数が作られていく様子をアニメーションでご覧ください.
リーマン関数 (Animation: Riemann's function)
リーマン関数の振動特異点とカスプ特異点です.
リーマン関数とその振動特異点・カスプ特異点
リーマン関数をウェーブレット変換するとこんな面白いグラフになります.
ウェーブレットでみるリーマン関数
この中からある振動特異点とカスプ特異点を抜き出します.
振動特異点 1
振動特異点 2 (3次元グラフ化)
カスプ特異点 1
カスプ特異点 2 (3次元グラフ化)
そのほか
面積を測る (Animation: Try to measure the area of a figure !)
内側からの近似 (Animation : Approximation by inner content)

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新井仁之